ESSとは

ESS（エネルギー貯蔵システム、Energy Storage System）は、エネルギーを効率的に蓄え、必要なときに供給するためのシステムを指します。ESSは、再生可能エネルギー源（太陽光、風力など）の不安定な供給を安定させるために特に重要です。以下は、ESSの主な種類とその特徴です。

1. バッテリーエネルギー貯蔵システム（BESS）:

- リチウムイオンバッテリー、鉛蓄電池、フロー電池など。

- 高いエネルギー密度と迅速な放電・充電が可能。

- 再生可能エネルギーの平滑化やピークシフトに利用される。

2. ポンプ水力発電（PHS）:

- 電力が余っているときに水を高所の貯水池に汲み上げ、需要が高いときに水を放流して発電する。

- 大規模なエネルギー貯蔵が可能で、長時間のエネルギー供給が可能。

3. 圧縮空気エネルギー貯蔵（CAES）:

- 余剰電力で空気を圧縮して地下洞窟などに貯蔵し、需要が高まったときに圧縮空気を放出してタービンを回して発電する。

- 大規模で長期間のエネルギー貯蔵が可能。

4. 熱エネルギー貯蔵（TES）:

- 太陽熱や廃熱などを熱媒体に蓄え、必要時に放出して発電や暖房に利用する。

- 熱媒体としては、塩溶液、岩塩、コンクリートなどが使われる。

ESSは、電力の安定供給や電力網の効率化、再生可能エネルギーの普及において重要な役割を果たします。また、家庭用から産業用、大規模な電力網まで、さまざまな用途に対応する技術が開発されています。